欧米に始まったインターネットとWebサイトの歴史ですが、日本での広がりや日本独自の発展、そしてインターネットにおける日本初のことについてお伝えします。
日本におけるインターネットとWebサイトの広がり
インターネットが日本に入ってきたのは1980年代にさかのぼりますが、一般に広く普及し始めたのは1990年代に入ってからです。日本では、1984年に東京大学と慶應義塾大学がアメリカの研究ネットワークと接続し、国内で初めてインターネットにアクセスしたことが始まりとされています。
Webサイトが登場したのは、1990年代初頭のことです。1993年には、日本で最初のWebサイトが京都大学の情報学研究科によって設置されたとされています。その頃のWebサイトはシンプルなテキストベースのものが多く、日本語の表示に関する技術的な課題がありました。日本語処理に特化したブラウザが少なく、文字化けが起こりやすい環境でした。日本独自の文字コード問題(Shift_JISやEUC-JP)に対応するため、Webページ作成者は多くの工夫を凝らしていました。
日本独自のWebサイトの発展
日本のインターネットは、モバイルへのアクセスが世界に先駆けて進んだ点が特徴的です。特に1990年代後半には、NTTドコモがi-modeサービスを開始し、携帯電話を通じたインターネットの利用が可能になりました。これにより、日本では早くからモバイルデバイスを介したWeb閲覧が一般化しました。
また、日本のWebデザインは、情報量が多い密度の高いレイアウトや、日本固有の美学が反映されたスタイルで知られています。アニメーションやマンガといった日本のポップカルチャーがWebデザインに取り入れられ、国際的な注目を集めることとなりました。
インターネットの普及は、日本におけるコミュニケーションスタイル、ビジネスの形態、教育のアクセス方法に大きな変化をもたらし、現代の日本社会における情報化の礎を築くことになりました。
iモードの警告表示画面
参照:https://internet.watch.impress.co.jp/www/article/1999/0125/docomo.htm
インターネットにおける日本初のこと
日本初のインターネット(1984年)
東京大学、東京工業大学、慶應義塾大学が互いに実験的にコンピューターをUnix to Unix Copy Protocol(ユニックス トゥ ユニックス コピー プロトコル、UUCP)で結んだJUNETと言われています。
日本初のWebサイト(1993年)
京都大学情報学研究科によって設立されたとされています。
参照:https://www.ibarakiken.gr.jp/www/
日本初のJPドメインの検索エンジン(1994年)
千里眼(せんりがん)。早稲田大学村岡研究室の学生であった田村健人が1994年11月に立ち上げたロボット型のインターネット検索エンジンで、当初は「Searcher in Waseda」と言う名称であったが、1995年11月に「千里眼」に改名されました。
インターネットにおける日本初のことのまとめ
Webサイトの登場は、日本においても情報収集やコミュニケーションにおいて革命をもたらしたできごとでした。本記事では、今日の豊かで多様なWebサイトの起源を少しだけ振り返りました。次回は「Netscape NavigatorとInternet Explorer」についてお伝えします。
関連ページ:
誕生-インターネットの歴史(第1回)
世界初のこと-インターネットの歴史(第2回)
日本初のこと-インターネットの歴史(第3回)