Microsoft Copilotとはなにか
企業による生成AIを使うサービスが続々とリリースされていく中、Microsoftが運営する検索エンジンBingに統合されたAIチャット機能であるBing Chat(Bing AI)が提供開始され、2023年12月にMicrosoft Copilotと名称変更しました。
ChatGPTと同じく高性能な言語モデルGPT-4を使用しており、ChatGPTと同様にユーザーは人間と話しているかのような感覚でAIと対話することができます。
さらに、Bingの検索アルゴリズムとGPT-4を統合した、Prometheus(プロメテウス)という独自の技術が組み込まれており、最近の出来事に関連する質問にも正確な回答を得られるのが特徴です。
なにより、ChatGPTでは有料で提供されているGPT-4やブラウジング機能、画像認識機能、画像生成機能などが、Microsoft Copilotでは追加料金なしで無料で使用できるのが大きな特徴となっています。
Microsoft Copilotの料金
Microsoft Copilotは個人向けサービス、法人向けサービスと分かれており、それぞれ無料版のCopilotと2024年1月に提供開始された、有料版のCopilot Proが存在します。
個人向けサービスは、Microsoftアカウントを持っていれば無料で利用することができます。
有料版は月額3,200円(2024年1月現在)となり、Microsoft 365 PersonalもしくはFamilyのライセンスを持っていれば、Microsoft 365の一部アプリと連携して利用することができます。
法人向けサービスは、Microsoft Copilot for Microsoft 365という、Microsoft 365の一部として1ユーザー 3,750円/月 (契約は年間契約・2024年1月現在)で提供されています。法人向けのサービスには、商用データ保護機能が備わっており、Microsoftのサポートが提供されます。
Microsoft Copilotでできること
Microsoft Copilotは、Microsoftの検索エンジンBIngと統合されて提供されたこともあり、普通の検索サイトを利用するのと何が違うのか、と思われる方もいらっしゃると思います。
Bingに限らず、これまでの検索サイトの利用と大きく異なる点は以下の4つです。
わかりやすく要約できる
通常の検索では、調べたいキーワードに対して検索結果が羅列されるだけでしたが、Microsoft Copilotで検索すると、検索結果の内容がまとまった文章として要約されて表示されます。検索結果のリンクを辿ることなく知りたい情報を得ることができますし、もちろん、ソース先のリンクも表示されますので、必要に応じてさらに深く情報をおいかけることも可能です。
チャット形式で検索できる
検索サイトでは、キーワードが明確であることが必要でしたが、Microsoft Copilotではあいまいなキーワードから始めても、対話形式で検索精度を高めていくことが可能です。
画像生成
頭の中にあるイメージをMicrosoft Copilotにテキストで伝えると、文脈から理解して画像生成することが可能です。できあがった画像に対して、さらにイメージを追加して精度を高めていくこともできます。
文章創作
メールでの挨拶文や資料作成、企画書のドラフトを作成したり、テンプレートを生成することができます。ゼロから書き上げる必要がなくなり、効率的に作業を進めていくことが可能になります。
Microsoft Copilotを使ってみよう
Microsoft Copilotは、ChatGPTでは有料で提供されているGPT-4やブラウジング機能、画像認識機能、画像生成機能が無料版で使用できるのが大きなメリットです。生成AIをまだ利用したことないのでしたら、ぜひ無料版で試してみましょう。
Microsoft CopilotのWebサイトにアクセスします。
【1】「無料バージョンのCopilotをお試しください」を押して、無料版のページに遷移します。
【2】右上の「ログイン」を押して、Microsoftアカウントでログインします。Microsoftアカウントは無料で作成できますので、お持ちでない方は作成しておきましょう。
【3】会話のスタイルを選択することができます。
より創造的に:オリジナルで想像力に富んだチャット
よりバランスよく:情報豊富で親しみやすいチャット
より厳密に:簡潔で単刀直入なチャット
それぞれの会話スタイルによって、返答の長さや表現方法が異なります。例えば、「創造的に」の場合は、オリジナルで想像力に富んだチャットを提供します。一方、「厳密に」の場合は、簡潔で単刀直入なチャットを提供します。それぞれの会話スタイルによって、返答のスタイルが異なるため、ユーザーは自分に合った会話スタイルを選択することができます。
【4】調べたいことを入力してみましょう。
会話のスタイルを選んだら、対話形式で入力します。すると、要約された内容が表示されて、その文章のソース元も「詳細情報」として表示されます。さらに対話を継続して、情報を深追いすることも可能です。
上記の方法以外でも、iOSやAndroidではアプリとしてMicrosoft Copilotが提供されていますし、Windows11ではOSに統合されてEdgeのサイドバーやWindows検索ボックスからMicrosoft Copilotのアプリを起動して利用することが可能です。
まとめ
2023年は、生成AIの分野が急速に進化し、OpenAIによるChatGPTのリリースをきっかけに、ユーザーに生成AIの可能性が広く知られる1年となりました。
現在は技術的な進化と合わせて、著作権やプライバシーなど、倫理的なガイドラインや規制の整備などとのバランスを模索している段階ではありますが、自然言語での会話、文書作成支援、コーディングのサポートなど、日々の生活や仕事に取り入れることで飛躍的に効率化が進んでいく流れは、2024年も加速の一途を辿ることになるでしょう。